考えるは継続、理解するは一瞬
「考える」基本は、違いを見つけてその違いがなぜ生じたのかを推理する思考作業です。それは「あ、そうか」という理解の異次元へのステップにつなげるものです。
考えることが知識を想い出して当てはめるだけと勘違いしている人は「推理する」という思考作業ができない人です。また、同じ思考を何度も思い出して堂々めぐりしている人は「考えている人」ではなく「迷っている人」です。
同様なことは「理解する」においても生じます。「あ、そうか」と納得するのは自分自身であり、その結果が必ずしも客観的に正しいということはできません。ですから、わかったつもりの人が多くいるのです。
そこで、自分が本当に理解しているかどうか、またその理解度はどの程度なのかを常にチェックする必要があるのです。講義を受けただけ、問題を解いただけでは理解が定着しないだけでなく「わかったつもり」になる危険性が高いのです。
その危険性を回避するには小学校のときから将来を見据えた指導をしなければならないのです。目先の点数をとるだけの方法を教えたのではどんなに素晴らしい素質を持っていても伸びません。その点に関しては拙著「お母さんとまなぶ東大への算数」( ポプラ社 )で述べています。
この手順で算数が得意であった子が中学数学になって突然できなくなるのはどうしてかについては次回お話しましょう。